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Power AutomateでOutlook予定表のイベント情報を取得する方法

PAでOutlook予定表1

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目次

Power AutomateでOutlook予定表のイベント情報を取得する方法について解説

じょじお

この記事では、 Power AutomateでOutlook予定表に登録されたイベントをExcelに書き出す方法について解説します。(この記事ではOutlookの予定をイベントと呼びます。)

作成するフローと3つのステップ

じょじお

少し長くなってしまったので3つの記事に分けて解説しています!

今回は、下記の3つのステップでPower Automateフローをつくっていきます。この記事ではステップ1を解説します。

  1. イベントを取得する処理をつくる。(本記事で解説)
  2. Power Automateで取得したイベント時間を日本時間に変換する処理をつくる。(解説記事はコチラ
  3. Excelに書きだす処理をつくる。
じょじお

ポイントはステップ2の時間の変換処理です。Power Automateで時間を読み込むとUTC時間に変換されちゃいます。このため、Excelに書き込む前に日本時間に戻してやる必要があります。

フロー完成図 と 成果物(出力したExcelファイル)
Power Automateフロー完成図
Power Automateフロー完成図
じょじお

追加するアクションはループアクション含めて6つです。30分ほどで作成できるかなと思います。

Excelへの出力結果
フロー実行後の出力結果(Excel)
じょじお

上の図はPower AutomateからExcelへ出力した結果ファイルです。

Power Automateでフローを作成する

Power Automateのフローの作成

STEP
インスタントクラウドフローの作成

今回はユーザが任意のタイミングでフローを実行できる、「インスタントクラウドフロー」の中にある「手動でフローをトリガーします。」というトリガーを使います。

インスタントクラウドフローの作成

▲作成 → インスタントクラウドフローをクリックします。

Power Automateフローの作成方法2

▲フロー名を入力 → 手動でフローをトリガーします。

STEP
Outlookのイベント(予定)の取得アクションの追加
Outlookコネクタを接続する。

▲アクションを追加します。

「Office365」コネクタの中にある「イベントの取得(v4)」をクリックします。2021年8月現在、イベントの取得(v3)とイベントの取得(v4)がありますが、古い方は廃止になることがあるので新しいv4を使っておけば良いかなと思います。

カレンダーの選択

▲自分のMicrosoftアカウントに作成済みのカレンダーが一覧されますので、その中からターゲットとなるカレンダーを選択します。(Outlookデフォルトカレンダーはここでは「Calender」と表示されます。)

ここではデフォルトカレンダーであるCalenderを選択します。

STEP
フィルタークエリを設定する。
詳細オプションを表示する

▲「詳細オプションを表示する」をクリックします。

フィルタークエリの設定

▲「フィルタークエリ」にパラメータを入力します。

Power Automateのフィルタークエリとは?(Odataフィルタークエリ)

フィルタークエリとは

簡単に説明すると、どういう条件でイベントを取得するかっていう条件です

ここを空白にしてイベントを取得すると、過去のデータからドバーっと取得し始めちゃうので特定のイベントを探すのが大変ですし、一度に取得できる上限数制限によってエラーになってしまう可能性もあります。そこで、フィルタークエリを使って必要なイベントだけを取得します。

フィルタークエリとは欲しいイベントだけ取得するための条件文。

指定方法は、Power Automate独自の記述方法で指定します。次のセクションでフィルタークエリの構文について解説します。

ODataフィルタークエリを特定の日付で指定する方法

フィルタークエリを特定の日付で指定する方法



イベント開始日時はstart/dateTime、イベント終了日時はend/dateTimeと書きます。

例文

イベント開始日時が2021年8月1日以降
start/dateTime ge ‘2021-08-01’

下記のように時間を含めて書くこともできます。
start/dateTime ge ‘2021-08-01T00:00:00.0000000’

演算子説明
ltより小さい(lt:less thanの略)
le未満または等しい(le:less than or equal toの略)
gtより大きい(gt:greater thanの略)
geより大きいまたは等しい(ge:greater than or equal toの略)
eq等しい(eq:equalの略)
ne等しくない(ne:not equalの略)
比較演算子

▲他にも、次のような演算子が利用できます。

演算子説明
〇〇 and □□〇〇でも□□でもある。
〇〇 or □□〇〇か□□のどちらかである。あるいは両方である。
論理演算子

下記の論理演算子も使えます。

例文

イベント開始日時が2021年8月1日~2021年8月31日
start/dateTime ge ‘2021-08-01’ and start/dateTime le ‘2021-08-31’

ODataフィルタークエリを日付以外で指定する方法

フィルタークエリを日付以外で指定する方法

下記の関数を使えば、イベント名やイベント出席者などで検索できます。

演算子説明
startswith (パス, ‘文字列’)(文字列)からはじまる
contains(パス,’文字列’)(文字列)を含む
endsWith(文字列)で終わる

パスとは、イベントが持つ情報に含まれる要素です。イベント名、イベントの場所、イベント開催者、イベント開始日時などのことです。

パスの例
subject(イベント名)、location(イベントの場所)、organizer(イベント開催者)

例文

ミーティングという言葉から始まるイベント名
startswith(subject , ‘ミーティング’)

イベント開始日時が2021年8月1日~2021年8月31日、且つミーティングという言葉から始まるイベント名
startswith(subject , ‘ミーティング’) and start/dateTime ge ‘2021-08-01’ and start/dateTime le ‘2021-08-31’

イベント開始日時が2021年1月1日~2021年11月31日、且つ「リモート会議」という言葉を含むイベント名
contains(subject ,’リモート会議’) and (start/dateTime ge ‘2021-01-01’ and start/dateTime le ‘2021-11-30’)

どのようなパスがあるかは公式ドキュメント(複数のイベントを取得するアクション)を確認してください。(「GraphCalendarEventClientReceive」のところ)

フィルタークエリーについてはこちらの公式ドキュメント(クエリパラメータを使用して応答をカスタマイズする)も確認してください。

(補足)フィルタークエリに日付を使用するときは「時間から減算」アクションを使うといいです。

例文のcontains(subject ,’リモート会議’) and (start/dateTime ge ‘2021-01-01’ and start/dateTime le ‘2021-11-30’)は、実際に使うときは、UTCと日本時間の差を考慮して、「時間から減算」アクションで減算してから関数に使った方がいいです。(下図参照)

並び替え順を指定方法は?(ODataによる並び替え)

STEP
並び替え順を設定する。
並び替え順

▲並び替え順を指定します。

並び変え順もPower Automate独自の書き方になります。指定方法は簡単です。

キーとなるパスを指定してasc(ascending:昇順)かdesc(descending:降順)かを指定するだけです。カンマで区切ることで、複数のキーで並び替えができます。

例文

イベント開始日時を昇順で並べる。
start/dateTime asc

イベント開始日時を降順で並べたあと、イベント名を昇順で並べる。
start/dateTime desc , subject asc

イベントの取得アクションのテスト

イベントの取得ができるか確認しましょう。

STEP
テストと実行
テストの実行

▲フローのテストをクリックします。

Power Automateのテスト方法2

▲手動を選択しテストをクリックします。

Power Automateテスト方法3

▲フローの実行をクリックします。

STEP
実行結果ログを確認
ログの確認方法

▲フローが実行されましたら、イベントの情報が取得できているかを確認します。

ログの見方

▲イベントログの確認

図のようにイベントが取得できました。「未加工出力の表示」で確認できるログはJSONというデータ形式で出力されます。

JSONとは、キーとバリューをセットにデータを保持するデータ形式のことです。キーとバリューを:(コロン)で接続してペアにして格納します。アプリケーションの間でデータをやりとりする際に便利なので世界的によく使われています。

{
"subject": "仕事A",
"start": "2021-08-10",
"end": "2021-08-11",
"organizer":"poko@gmail.com",
}

▲たとえば上記のJSONの例でみると、Subjectというキーに”仕事A”というバリューが入っています。仕事AというOutlookイベントが取れたのだなぁということがわかります。仕事Aというイベントの開始時間は”2021-08-10”なのだとわかります。キーが英語になっているのでわかりにくいかとは思いますが、なんとなくどれがどのOutlookイベント情報にあたるかわかるのではないかなと思います。わからないときは ドキュメントを確認しましょう。

{から}までが、がひとつのOutlookイベント情報です。

まとめ

じょじお

以上、Power Automateでイベントを取得する方法について解説しました。

冒頭でも解説したように、Power Automateのログを見てみると、実際のOutlookに登録されているイベントの開始時間・終了時間とログの時間に差がでてしまっているかと思います。これは、Power AutomateがUTC(世界標準時)で時間を取り扱っているためです。

このままExcelに書き込んでもズレた時間をそのまま出力してしまうため、日本時間に変換する必要があります

次回の記事では、「Power Automateで取得したUTC時間を日本時間(UTC+9)に変換する」方法について解説します。

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